投資家インタビュー【第7回】より良い社債プラットフォームを目指して――今後もお声をお聞かせください!
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お読みいただきありがとうございます。
Siiibo証券という会社でCEOを務めている小村と申します。
Siiibo証券は、「webでの私募」を活用することで、シンプルで分かりやすい金融商品である「社債」の投資・発行プラットフォームを運営するネット証券会社(第一種金融商品取引業者)です。
全7回にわたり、これまで弊社サービスにて社債をご購入いただいた投資家ユーザ様へのインタビュー記事を発信してまいりました。
いよいよ最終回の今回は、改善点やご要望を多く含み、最も忌憚なく是々非々のご意見をいただけた落合さん(仮名)に、私募社債を組み入れた理由や、Siiibo証券を使われた感想をお伺いしました。
率直なお声をお伝えすることを重視し、メリット/デメリットどちらの意見もなるべくそのまま文字に起こすことを重視しました。
【投資家様について】
(2021年10月時点)
お名前:
落合さん(仮名)
年齢層:
30代
職業、役職:
会社員(非上場企業)、主任
所得:
500万円~1,000万円
金融資産額:
5,000万円~1億円
これまでの投資経験:
上場株式、投資信託
Siiiboでのこれまでの投資額・社数:
50万円~299万円・3社未満
値動きに一喜一憂しない私募社債
小村:この度は、インタビューをお引受けいただきありがとうございます。まずは投資の目的や背景をお教えください。
落合さん:以前から個別株での資産運用はやっておりましたが、値動きの激しさにデメリットを感じ、少し安定させたいなと考え債券もポートフォリオに入れようと探しておりました。特に未上場の債券に興味が出てきまして、そこでSiiibo証券さんを知り口座開設しました。口座開設時にはサービスローンチしたてでしたが、今後どんな商品が出てくるか興味がありました。株と現金しか持っておりませんが、現金の方を債券にしていきます。キャッシュは利息がほぼつかないので。イメージは最大20%くらいの比率ですかね。株は買ったら持ち切りです。債券も資産の一部でずっと一定比率を保つイメージです。基本的に株式100%という運用スタイルだったので、社債/不動産/外貨にも配分していこうと考えております。
小村:ありがとうございます。値動きに一喜一憂したくない、というお声は債券投資を始めた理由として他の投資家様からもよくお聞きしますね。
ご経緯からすると、特に未上場企業にご興味がおありですか?
落合さん:そうですね、他社だと上場企業の債券は買える所もありますが、あまり銘柄の種類も無いですし、利率も殆どが1%を切っていて、あまり興味がわきません。未上場の企業には2%以上出るものもあるかと思うので、リスクも大きいと思いますがやってみようと考えました。まずは少額、50万円くらいからですが。
小村:一般に購入できる社債は事業規模も大きな企業でコストをかけて投資適格の格付取得も行っているところが多いかと存じます。仰るとおりその分、低金利・低コストという位置づけという印象です。
普段どういうところで情報収集をされていて、どういう経緯で弊社のことをお知りになりましたか?
落合さん:そうですね、あまり覚えていないのですが恐らくネットニュースでヒットしたのかと。ニュースアプリですかね。普段は大手検索サービスのニュースサイトを複数見たり、新聞の電子版などです。基本的にwebで拾える情報がメインですが、SNSはあまり資産運用系の情報収集には使っていません。
小村:SNSを資産運用に関する情報取得手段とされる方は、お聞きする限りまだまだ少なそうですね。
証券会社としての安心感
小村:他のサービスと比較してみてのご感想などはいかがでしょうか?
落合さん:まだ1銘柄しか買っておりませんので何とも言えないですね。非上場の債券は御社でのみです。社債ではないですが、貸付型のクラウドファンディング(ソーシャルレンディング)等も少額だけやっており、不動産系のクラウドファンディングもやってみようかなと思っております。比べると、Siiibo証券さんは今どういう銘柄のラインナップがあるか分かり難いところはありますね。今後、近いうちにどういうものが出てくるかもう少しわかれば良いんですが。ソーシャルレンディングとの比較では、証券会社としてSiiibo社の倒産隔離(分別管理や投資者保護基金加入)がなされてる点と、分離課税であることが違いとして大きいですね。
小村:私募の特性上留意すべき点は多いですが、今後順次当該情報も開示していく予定です。
希望条件入力等の機能やその他全般において、気になった点、希望、良かった点等はいかがでしょうか?
落合さん:そうですね、非上場企業は特にどれくらい信用できるかをより詳しく知りたく、本当は募集を受けていない場合でも財務諸表等も見たいですが、今のところは難しそうですよね。条件入力は年数/金利/金額の条件に絞ってるようですが、項目としてはこれで良いと思います。非上場企業の情報はもっと増やしてほしいですね。各会社の活動やビジネスの内容がわかりやすかったらより良いですね。各社のウェブサイトを見ないとよくわからないので、Siiibo証券さんのサービス上でも分かれば良いと思います。動画情報や、ざっくり売上・PL・赤字かどうか等も分かれば。
小村:財務/事業の情報開示については各社さん考え方がまちまちで、一定の統一感を保ちつつどこまでの情報であれば、またどのような見せ方を行えば掲載企業様・投資家様双方のニーズを満たせるのか模索しているところです。
購入判断は定量面と定性面から
小村:社債を実際にご購入いただいた際/また逆にお見送りした際に考慮した点、決め手は何でしたか?
落合さん:まずは金利水準ですね。あと個人的に重要なのは財務状況が黒字か赤字か。あとは、増資も含めた資金調達能力と、倒産確率を一定予想するために財務諸表や資金調達の過去実績を中心に見ております。見送った際には、1社目は業種上あまり財務諸表が読み切れず様子見しました。事業内容も社会貢献の色が強く、その点は良いのですが、ビジネスとして成り立つのか不安になったという側面もございます。2社目は上場企業でしたが赤字で、利率もそこまで高くはなく、初回の投資から120万円を超える1口当たり金額はやや大きいと感じ様子見しました。
反対に、購入した会社さんは利率が一定高かったことと、60万円程度という少額で良かったこと、ビジネスモデルもわかりやすかったことが主な決め手でした。まずはここから始めてみるかと。
小村:財務諸表をはじめ、私募対象者向けの詳細な資料をもとによく分析いただいてますね。金額については、たしかに弊社サービスへの信用という点でも初回は一定少額で、というお考えはもっともかと思います。
一連のプロセスに対してご感想などございますか?
落合さん:既に結構どんなものだったか忘れておりますが、簡単だった気がします。基本はPCで手続きしました。詰まった印象もないですね。追加で知りたかった情報なども特に無いですね。
小村:ありがとうございます、逆に言えばもう少し印象に残る体験もあわせてご提供したいなと感じました。
購入後のご感想やご要望などございますか?
落合さん:まだ今1種類しか買っていませんが、他のサービスでもある気がしますが投資先の情報がアップデートされたら結構通知がほしいです。毎月のレポートとか送ってくれれば有難いですね、未上場で情報少ないので。最新の活動状況・事業進捗が分かれば良いですね。
あとは、Siiibo証券さんのトップページ、ログイン後は結構シンプル、過ぎる?印象です。もう少し情報をpushしてもらっても良いのかなと。例えば、発行検討されてるかといった情報など。もしかしたらある程度情報をpushされた方が興味を持つかもしれないので。今だとこちらから閲覧して情報取る必要があり、どんどん促して頂けると助かります。
小村:なるほど、たしかに企業数が増えてきたこともあり、表示順や検索方法、見せ方などに工夫が必要になってきましたね。
社債投資はまだまだニッチ
小村:もし弊社サービスを他の方に勧めるとしたら、或いは難しいとしたらその理由をお教えください。
落合さん:なかなか近い人と資産運用の話にならないですからね。。セールスはしづらいです。まわりに大きな資金持ってる人もそれほどおりませんし。最近どう?という話にはなりますが、メインは株についてですね。同僚で株式投資を行っている人もいますが、数百万円のレベルなので、リスクリターンの見合いだと社債は会話にでて来ませんね。まだまだメジャーな投資先として認識されてないということでしょうか。上場企業の社債も買ってない中で、私が好む未上場社債などの案内をすると胡散臭さがあるかもしれません。
小村:たしかに、今まで選択肢にあまり無かったということもあって、まずは社債そのものを認知いただく、他の投資経験が一定ある方からご検討いただく、という流れになるかなと思っております。
小村:弊社に限らず運用全般で大切にされていることや、不満などございましたらお教えください。
落合さん:債券だと利率とその会社の状況、不動産だと不動産会社の信用力、等は追加で重視する点ですかね、そういう意味で、変わったもの/これといったものは無いですね。分散はある程度したいです。不満というと、新興サービスだと株式や貸付型クラウドファンディング系なども含め、分散させると管理が大変ですね。資産管理サービスにSiiibo証券さんも入ってほしいです。そういうところで一括して全体でぱっと見てわかれば嬉しいですね。今使っているサービスは証券会社など3つを連携してて、配当、値動き、暗号資産含めた比率などが分かります。分散するほど資産状況がパッと把握しにくくなりますね。
ちなみに最後に質問で、Siiibo証券さんをご利用される企業の方って、個人から幅広く資金調達したい等の理由から来られるんですかね?
小村:企業様によって本当に様々ですね。詳しくは企業様向けのサービスページや以下のようなインタビュー記事も見ていただければ幸いですが、既存手段の代替から投資家の方との繋がり構築など、様々ありますね。
まとめ (メリット/デメリット)
メリット
- 株のような激しい値動きがないため、ポートフォリオを安定させられる
- 利回りが良い未上場企業の私募社債にも投資することができる
- 証券会社のため、投資者保護がしっかりしている
- ネットから簡単に購入することができる
デメリット
- 私募社債のため銘柄のラインナップが分かりにくい
- 企業の信用を測るためにの情報がまだ少ないことがある
- 私募社債がまだメジャーな投資先と認識されていない
- 資産管理サービスにSiiibo証券が入っていないため、管理が難しい
おわりに
以上、全7回にわたって投資家ユーザ様のお声を届けてまいりましたが、今後も皆様からのご意見やご指摘を取り入れ、より良い記事にしてまいりたく存じます。
是非お気づきの点ございましたら、私のTwitterアカウント等までご連絡いただけますと幸いです。
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