投資家インタビュー【第6回】IFAの助言から社債を主軸に――多様なリスク選好度に応じる私募社債の魅力
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お読みいただきありがとうございます。
Siiibo証券という会社でCEOを務めている小村と申します。
Siiibo証券は、「webでの私募」を活用することで、シンプルで分かりやすい金融商品である「社債」の投資・発行プラットフォームを運営するネット証券会社(第一種金融商品取引業者)です。
全7回にわたり、これまで弊社サービスにて社債をご購入いただいた投資家ユーザ様へのインタビュー記事を発信してまいります。
第6回目の今回は、IFAからの助言をもとに運用資産の5割ほどを様々な社債で保有されている梶原さん(仮名)に、私募社債もご検討・購入された経緯、Siiibo証券を使われた感想をお伺いしました。
率直なお声をお伝えすることを重視し、メリット/デメリットどちらの意見もなるべくそのまま文字に起こすことを重視しました。
【投資家ユーザ様について】
(2021年10月時点)
お名前:
梶原さん(仮名)
年齢層:
30代
職業、役職:
会社員(非上場企業)、一般
所得:
500万円未満
金融資産額:
1,000万円~3,000万円
これまでの投資経験:
公社債、投資信託、非上場株式、上場株式
Siiiboでのこれまでの投資額・社数:
50万円~299万円・3社未満
社債との出会いは、「IFAからの紹介」
小村:この度は、インタビューをお引受けいただきありがとうございます。梶原さんは弊社にて銘柄をある程度選定された上で社債をご購入いただいているようですが、まずは投資の目的や背景をお教えください。
梶原さん:投資の背景ですね。色々株式や投資信託等を購入している中で、IFAの方に資産運用するなら社債もメインで買った方が良い、というアドバイスを受けたのが経緯です。公募社債も少し買ったことはあったんですが、格付けを得ているのもあって利率の低いものが多く、自分的にはリスク取ってリターン取りたいというのもあり、記事も見て投資してみました。
小村:なるほど、金融商品仲介業者 (IFA ※)として商品を勧めるのではなく、純粋なアドバイザリーを提供する方は珍しいですね。
IFAさんにはフィーは発生していないですよね?
※ IFA = Independent Financial Advisor(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)は、金融商品取引業者(証券会社)または登録金融機関(銀行等)の委託を受けて、有価証券の売買の媒介などを行う。投資家顧客は委託元と契約することになり、口座は委託元の証券会社等が管理する。
梶原さん:はい、していないですね。相談したのは2-3年前です。株式とのリスク分散で社債を増やした方が良いんじゃないか、と言われて。それに関しては契約もなく、ただアドバイスいただいただけなんですよ。
小村:例えばIFA業界が発展し2.7万人ほど業者が存在する英国だと既に手数料制は廃止されアドバイザリーフィーにシフトしていて、独立性という観点からも日本もそういった流れになると良いですね。
私募社債に高めのリスク・リターンを期待
小村:現在、資産の配分はどうなっておられますか?
梶原さん:運用資産の5割が社債で2割が株、残りが現金ですね。株は個別銘柄です。それほど短期売買はしませんが、遊びの要素がありますね。社債については、事業会社や金融機関の、公募で個人も買えるものです。あと少し外貨建ての海外金融機関の社債もですね。
小村:アドバイスの通り社債をメインに投資され、個人でもある程度利回りが出るものに絞られてますね。
一定ハイイールドを求めて私募社債にも興味を持たれたとのことですが、金利はどのくらいを希望されますか?
梶原さん:そうですね。やや高め、2%以上あたりですかね。3%付近とか。その辺りまであれば大変良いと思うんですけど、それ以上、あまり利息高いとリスクも高いでしょうからね。
小村:たしかに公募債で2%以上3%付近までの商品はなかなか見られないですね。
弊社サービスでの口座開設に至ったきっかけは何でしたか?
梶原さん:ある大手の記事データベースサイトをよく見ているんですが、ちょうどその記事の中で見て、今までにない商品だったから面白いな、と思いました。私募社債なので案件によっては一定リスクもあって利回りも出るのでは、と考えたのが特に大きな理由です。ちなみにSNSは私は一切使わないですね。
小村:私募社債や社債そのものの選択肢は一般個人の方にはなかなか無かったですからね。
企業との接点を活用、希望に近いマッチングを実現
小村:実際に口座開設や購入をされてみていかがでしたか?
梶原さん:自分の希望を条件入力という形で聞いてもらえるというのは良いですね。なかなか公募等だと自分の意見を言う機会なんてないですもんね。参考情報なので、自分の希望がそのまま通るわけではないですが。
1つ目に勧誘を受けた案件では分散を考えると投資金額が大きすぎたというのがあって、そのフィードバックを行った次の案件では、ある程度投資金額が小さかったのと利率も希望通りだったので購入できて良かったです。3件目は条件とは別に、業種が投資したいところではありませんでした。
小村:梶原さんのケースではマッチングがうまく機能していますね。ただし、まだ改善余地はありそうです。
他のサービスとの比較や、その他改善など気付いた点ございますか?
梶原さん:Siiiboさんと比較する業者さんってあるんですかね?クラウドファンディング?とは別物だと考えておりました。ちょっと比較というのはちゃんとしていないですね。改善点も、希望条件入力なども今の機能で私は良いかな、と思います。
小村:なるほど、ありがとうございます。
実際の社債購入時の決め手、考慮した情報等は何でしたか?
梶原さん:損益計算書等ですね。ひととおり目は通しましたね。主にそれで、心配な点もあったので、どういう事業計画で返済能力が十分担保されるか質問もいたしました。具体的な情報が明示されていたので安心材料にはなりました。
小村:やはりオンライン説明会やプラットフォーム上等にて、質問できることが安心に繋がるケースが多いですね。
プロセス全体で良かったところ、改善点などございましたか?
梶原さん:口座開設からで言うと、一番はネットで全て完結ですかね。色々郵送とかなくて楽でした。それが一番良かったと思います。改善点、もっと知りたかった情報とかつまずいた所とかは…ごめんなさい出てこないです、特に無かったです。結構スムーズにいきましたね。
小村:いえ、特につまずきが無かったようで何よりです。
公募とは違う、少人数しか買えない社債の魅力
小村:購入前後で良かった点、感じた点や気になることなどございますか?
梶原さん:良かった点でいうと、不特定多数をターゲットに売ってない所ですね。一定投資家にも基準があって、それに対する嬉しさと言うんでしょうか、そういうもののはありました。あとは何でしょう、起債情報って一般投資家でも見られるものがあると思うんですけど、こういうの良いなぁ、と思っても機関投資家向けばかりで買えないじゃないですか。それに近いものが買えて、リスクは一定あるとしても利回りが出る、という嬉しさはありますかね。気になることで言えば、今後は投資先の損益の情報等は知りたいですよね。債権者向けセミナーなどもあれば。
小村:機関投資家向けには私募のものも含め、意外と様々な債券性の商品の選択肢がありますからね。一般投資家向けにも裾野を広げていくことが重要だと考えております。
弊社サービスを勧めるとしたらどう説明するか、或いは勧められないとしたらその理由をお教えください。
梶原さん:勧めたいと思う気持ちはあるんですけど、投資に対して博打というのでしょうか、そういう考えの人も結構いるので、そもそも受け入れてもらえるのかな、という前提があります。私は、良い商品かな、とは思うんだけど、「一般に出てない商品を買える」という点に良さを感じているというのもありますし。友人とはそういう話はあまりしないですね。家族とはSiiiboさんのことも話しましたよ笑
小村:まあ友人と資産運用の話にはなかなかならず、ましてや特定のサービスを勧めるのは気が引ける面もありますよね。個人によって状況や考え方は大きく違いますからね。
個別株も含め、商品選定に何か軸はございますか?
梶原さん:株式に関しては、成長性がある銘柄を選定しますね。個人的な感覚にはなってしまいますが。社債だとある程度、安定性を求めてる部分もありますが、まあ利回りがほしいという点では安定性というと矛盾するのかもしれません。私は多少安定性に目をつむっても利回りを優先したいというのがあります。
小村:一定ハイイールドな銘柄、成長のための資金使途という案件も今後ラインナップに拡充できればと思います!
全体を通してご要望や感想などございましたらお教えください。
梶原さん:ホームページやメールは見やすいと思いますよ。あと買えるか買えないかはやはり気になりますよね…。少し質問になっちゃうかもしれないですけど、少人数私募債っていうのは基本譲渡できないですかね?法的な制約などありますでしょうか。個人的には売却するつもりはないんですけど、社債市場全体を考えて、個人でも売買できる市場があれば良いなぁって思いますよね。Siiiboさんだけでどうこうなる話じゃないでしょうけどね。
小村:法的制約という点では譲渡制限が付与されていますので、詳しくは個別債券の社債要項を見ていただければと存じます。形式的には一括譲渡であれば可能ではあるものの、現実的には譲渡先を見つけたりと難しい面はありますね。個人の社債売買のセカンダリー市場は是非弊社としても研究していきたい領域です!
まとめ (メリット/デメリット)
メリット
- 分散投資をしつつ、公募債よりも高い利回りが期待できる
- 投資の希望条件を企業に表明できる
- 購入前に説明会やプラットフォームでの質問機会がある
- 口座開設から購入までネットで完結
- 少人数だけの債券を購入できる嬉しさ
デメリット
- 新しいサービスであり、他サービスとの比較検討が難しい
- 社債自体の知名度の低さ
- 投資後の情報や説明会を必要とする場合がある
- 私募社債には譲渡制限があり、即座の換金が難しい
おわりに
以上、拙文で大変恐縮ですが、皆様からのご意見やご指摘を取り入れ、より良い記事にしてまいりたく存じます。
是非お気づきの点ございましたら、私のTwitterアカウント等までご連絡いただけますと幸いです。
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