【後編】投資家ユーザの抱える巨大なペインと、Siiibo証券の解決策とは?

公開日:2022年12月15日
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「投資家」髙岡美緒氏に伺う【社債投資の魅力】

お読みいただきありがとうございます。
Siiibo証券という会社でCEOを務めている小村と申します。

Siiibo証券は、「webでの私募」を活用することで、シンプルで分かりやすい金融商品である「社債」の投資・発行プラットフォームを運営するネット証券会社(第一種金融商品取引業者)です。

Siiibo証券は、シリコンバレーと東京に拠点を構え、日米市場を中心にB2Bスタートアップへの投資を行っているベンチャーキャピタル「DNX Ventures」から2021年12月よりご出資いただいております。

今回は、主担当として本案件にご尽力いただいたDNX Venturesパートナー髙岡美緒氏に、Siiibo証券CEO小村がインタビューさせていただいた内容を前後編に分けてお届けします。

▼前編記事はこちらから
出資の決め手となった3つの理由とは?――DNX髙岡美緒氏インタビュー 前編

後編の本記事では、一人の個人投資家ユーザとして見たSiiiboのサービス/社債投資の魅力と巨大なペイン、Siiibo証券の未来像等について、存分に語っていただきました!

髙岡 美緒(たかおか みお)
英国ケンブリッジ大学自然科学部物理学科卒業。生後5ヶ月から大学卒業までアメリカ・イギリスで過ごす。大学卒業後、ゴールドマン・サックス証券へ新卒として入社。その後、モルガン・スタンレー証券(現モルガンスタンレーMUFG証券)、リーマン・ブラザーズ証券で金融業務に従事。2009年より、マネックスグループ株式会社に入社後、マネックスグループ執行役員新事業企画室長及びマネックスベンチャーズ取締役として、戦略的M&A、新規事業開発、CVC立ち上げ・運営を担当。その後、当時アジア最大のフィンテックVCのArbor Venturesのパートナーに就任及びメディカルノート取締役CFO(ファイナンス、事業開発、管理部門、人事広報部門を管掌)を経て現職。株式会社セプテーニ・ホールディングス社外取締役、株式会社カヤック、HENNGE株式会社社外取締役を兼任。
その他、金融革新同友会(FINOVATORS)co-ファウンダー、経済産業省「産業・金融・IT融合に関する研究会」委員、自民党 金融調査会「フィンテックに関してのヒアリング」講師、2016年サマーダボス会議を含む様々な国内外のイベントに登壇や審査員を務める。また、2016年・2017年においてFintech Asia 100 Leaders(アジアを代表するフィンテックリーダー100人)及びフォーブスジャパン「世界で活躍する日本女性55人」の一人に選出される。

選択肢が少なかった、ミドルリスクミドルリターンのわかりやすい投資対象を提供

小村:ここからは投資家ユーザとしてみた場合のSiiibo証券についてお話をお伺いさせてください。

髙岡:「投資機会の民主化」は米国でもテーマとして挙げられ、日本でも投資機会に歪みがあると危機感があります。ローリスクの商品を選ぶのであれば金利0%付近の預金、ハイリスクだと株式や、極端には暗号資産といった商品にアクセスできますが、一方で、ミドルリスクミドルリターン領域は選択肢が少ない状況です。個人投資家で言うと、不動産投資等に限定されてしまう印象です。そこで、価格変動を気にしなくて良く、金利も数%得られる商品がないかと考えておりました。現在でも仕組債等が一部その領域を担っていますが、もっと分かりやすい商品や仕組みものがあれば良いのにな、とは思っていた中で、御社のソリューションに出会ったのです。

小村:おっしゃる通りで、仕組債との比較では商品のシンプルさ、分かりやすさという点で大きく異なり選択もし易いと思いますが、不動産投資と比較した際の違いについてはいかがでしょうか。

髙岡:不動産投資の場合、そもそも頭金が必要であるのと、何かと手間が多いですよね。実物を探して、銀行借入の判断もし、購入後も管理するというのは面倒ですよね。忙しい人には難しいでしょう。不動産ファンドに関しても、商品によっては総合課税になってしまう場合もあるため、やはり他の選択肢があればと思います。さらに言えば、最近はパーパス(意義)という言葉がよく使われますが、仕事にパーパスを求めるのと同様、自分の投資資金にもパーパスを求める方は多いのでは?という印象です。「お金が必要なところに自分の意思で回している」という実感へのニーズにも社債は応えられるのかなと思います。

小村:まさに投資家ユーザ様のフィードバックからも多くお声をいただく点ですね。投資者保護や法的位置づけの明確さ等の提供価値からすると、税の話はこれまであまり強調して来ませんでしたが、投資家様から見ると税率が2倍以上異なるケース等も見られるため、今後は重視してお伝えしようと思っています。

髙岡:そうなんですよね。投資を始めた頃は、そこまで意識することなくリターンが上がったことに喜びますが、課税後の額を見てその大きさを知ると急に愕然とする、というケースは少なくないはずで、とても重要な観点だと思います。

小村:インカムゲインではただでさえ数%のリターンの世界の中で、そこから例えば2割引かれるか4割引かれるかの違いって大きいですよね。パーパスについても、多くの投資家様が自分のお金を好きな企業、世の中こうあるべきだと共感できる事業に投入したいと仰っていて、ニーズは強くあるなと思っています。同様に、債務履行可能性の意味での信用力とは直接結びつかない、社会的意義等の点で案件の人気度が変わることも実感していますし、事業を始めて良かったと思える点ですね。

髙岡:まさにそうだと思います。コロナ禍で預金総額はさらに増加しており、こういったお金を動かし、リターンが得られかつ経済を回せるようなお金の働かせ方が普及したらいいのに、と思っております。

小村:そうですね、関連してプラットフォーマー・経営者としての悩みですが、ハイ・イールドの領域をどこまで許容するかという観点もあります。例えばコロナ禍で苦しむ企業様のブリッジファイナンスのような、リスクでいえば他案件と比べて大きいケースです。このような案件でも、もし十分に多様な投資家様がいらっしゃったら、パーパスの観点からサポートしたい投資家様もいらっしゃると思います。完全にプラットフォーマーの役割に徹し、あらゆるリスク選好度の投資機会を用意するべきなのか、そのタイミングはいつか等、考えるべきことは多くあります。

髙岡:目下はより低リスクの領域から、システムも含め安定稼働をさせることが目標になりますが、おっしゃっていただいたように、ハイ・イールド領域に対してはニーズも社会的意義もあるとは思いますね。今後、投資家がリスクをきちんと理解されていることが確認された段階で、その案件の性質を丁寧に情報開示・コミュニケーションしながらより多くの選択肢を提供していけると良いのではないかと思います。

小村:ありがとうございます。

巨大なペイン解決に挑み、シームレスな直接金融を創り上げる

小村:その他にも、どういった条件設計の商品や、どのような機能がサービスにあれば良さそうか、投資家ユーザの視点でご要望がありましたら教えていただけますでしょうか。

髙岡:多様なニーズにシームレスに応えていけたら理想的だなと思っております。例えば先程のパーパスを前提としたハイ・イールド案件、ESG関連案件、M&A資金の案件、一定規模や知名度のある上場企業の比較的低リスクな案件のような様々なリスクプロファイルを好む方々向けに銘柄を選べると良いですね。また、CB(転換社債)も中長期的には取扱えると面白いのかなと注目しています。

小村:まさにラインナップに関しては私も多様な要望があるなと感じていて、預金から乗り換え易い低リスクのものから、私募社債特有の掘り出し物と言いますか、世の中に出回っていない商品への期待感等も見られます。

髙岡:米国ではオルタナティブ商品等も民主化され多くの人がアクセスできるようになってきていますが、日本の個人投資家の選択肢はまだまだ少ないと感じますね。特に債券型の商品については仕組債も含め条件設計が極端だったり…特にミドルリスク・ミドルリターン領域を充実化していただく期待をしていますね。

また、機能に関しては、法規制等の議論を除いた前提で、機能に関しては、リコメンデーション機能のような仕組みがあると良いのかなとは思います。今のあなたに合いそうなオススメな企業、掘り出し物がタイムリーに出てくる、という機能が欲しいです。

小村:実現可能性は一旦棚に上げて、ゼロベースで理想のUXを考えるプロセスは重要ですよね。貴重なご意見として参考にさせていただきます。
今のプロダクトは投資家ユーザ様を中心とした設計となっておりますが、発行企業顧客の皆様向けに、発行プロセス、発行企業様とのやり取りも自動化していくべきだなと感じます。

髙岡:はい、まさにそう思います。今は様々な資料を網羅的に徴求しデューデリを人手でしっかりされている段階かと思いますが、それをより効率化・自動化したいですね。例えば上場企業であったら公開情報をもとに半自動的に審査がなされ調達条件が提案される等。極端に言えば「ワンクリックで調達できる」みたいな体験ですね。あとは企業側も社債投資を行うような投資家様に自社を知ってもらいたいニーズがあるなと感じました。いわゆるIR機能ですかね、特にBtoBの事業等だとなかなか認知度が上がらないという課題もあったりするのと思います。Siiiboを通して企業・事業の魅力が適切に伝わるようなプラットフォームにもなれたらいいなと思いました。

小村:そうですね、IRも今は投資判断を意識した項目が多めになっているので、もう少しそのような情報を伝えられる形も模索したいと思います。発行企業様と投資家様とのインタラクション、或いは投資家様同士のインタラクションを活性化させる方向性も面白いかなと思っております。

髙岡:良いですね、まさにそれこそが直接金融が目指すところなのかなって思います。設計には様々ハードルがあるかとは思いますが、御社なら可能だと期待しております!

小村:ありがとうございます、信頼にお応えできるよう引き続き頑張ります。
最後に総括をお願いします!

髙岡:自分自身の経験から発行企業側・投資家側双方のペインを理解した上で、Siiiboのようなサービスがあったらと思っておりました。チャレンジングな領域であるものの、御社はチーム全体が非常にミッションを大事にしていて、組織としての軸が感じられました。こうやってお話させていただく中でも「これはやります」「これはやりません」といったコンシステントなコミュニケーションができ、本当にご縁があって嬉しいです。これから全力でサポートさせていただきたいと思います。

小村:かなり前に、「仮に10年計画が延びてもやり続けられますか」と別の方に問われたことがありますが、単にやりますというのではなく、このメンバーでやり抜きますと確信を持って言えたという経験がありました。この巨大なペインを抱えるマーケットで、最高の組織を作り上げながら頑張ってまいりますので、これからもよろしくお願いいたします。

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