社債スプレッドとは?格付けとの関係や変動
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社債スプレッドとは国債と社債の利回り格差のこと
社債スプレッドとは、同年限の社債と国債との利回り格差のことをいいます。
一般的に社債スプレッドは、発行企業の信用力の高さに応じて上下します。対象とする社債発行企業の信用力が高いとプレミアムは小さく、社債スプレッドは小さいと言えます。反対に、対象とする社債発行企業の信用力が低いと、社債スプレッドは大きいと言えます。
格付けが低い投資不適格債は社債スプレッドが大きい
社債スプレッドに影響を与える一つの要因に格付けがあります。格付けとは格付会社によって作られる債券の信用力を示すランク付けのことです。代表的な格付会社として、S&P(スタンダード・アンド・プアーズ)やMoody's (ムーディーズ)などが挙げられます。
こうした格付会社によって与えられた格付けは社債スプレッドに大きな影響を与えます。特に、BB以下の指標を与えられたハイイールド債(ジャンク債)の信用力は相対的に低いと考えられ、その分社債スプレッドは大きくなる傾向にあります。
格付けの詳細はこちらの記事で紹介しています。
社債スプレッドの変動
社債スプレッドは、景気や金利の動向によって変動します。
社債スプレッドが上昇するほど社債の需要が減少していることを、社債スプレッドが下落するほど社債の需要が増加していることを示します。
スプレッドが上昇することをワイドニング、スプレッドが下落することをタイトニングと言います。
一般的には、社債スプレッドが上昇すると社債は値下がりし、反対に社債スプレッドが下落すると社債は値上がりします。
米国債券市場を例にみると、ハイイールド債市場は注目される指標の一つです。ハイイールド債は相対的なデフォルトリスクが高い分、高利回りでスプレッドも大きく、市況の変化にも敏感です。
社債スプレッドを投資判断の1つに
本記事では社債スプレッドについて解説しました。
社債スプレッドとは、同年限の社債と国債との利回り格差のことで、社債投資時の判断材料の1つとなります。
社債スプレッドを理解して、目的に合った投資先の選定に活用しましょう。